2021/10/13 11:55

9月の頭に公開したシューティング、テーマは"Land"でした。Landという単語は、直訳すると陸地や国を指す言葉ですが、自分からしたら真っ先に思い浮かぶのはディズニーランドや映画のLa La Landとか。他にも田園・いなかとか、耕作地とかいう意味もあり、街暮らししている自分の生活から距離のある、別の領域をイメージする言葉です。




今回の撮影は長野の標高1650mに位置する山荘で行ったので、こういうテーマが呼び込めたんだと思います。高山地帯は植生が異なるのでやはり印象が変わります。島国の中の、さらに貴重な場所。




スタイリングもクレイグのショーピースを使ったので、少しファンタジックに見えるかと。でも、ワークスやカジュアルに寄せるのではなく、その非現実性を保ったまま風景と釣り合いをとって着地させる事ができたのは大きな成果でした。周りの風景と調和しながらも埋もれない、それが出来ているスタイリングは少ないです。




今回のスタイリングは、あり得たもう一つの日本というテーマを持っています。スタイリングで使っているアイテムを見るとわかるのは、ここ数年のイギリスのデザイナーの、そこまで根付かなかったブランド、もしくは上手くスタイリングできている人がいないブランドを中心に選んでいる事。



クレイグやtoogoodのデザイン性の強いピースは、上手くリアリティのある服として着れている人をほぼ見た事がありません。ショーピースをさらにごちゃつかせて着るようなものか、全体が調和してないものばかりでした。




それに対する自分なりの応答をしたかった撮影。自然があり日本的なようで、でも植生の差から印象が変わるロケーションで、「今・ここ」という感覚ではないオルタナティブを作る事。デザイナーズのアーカイブを扱う店をやってる身として、批評性を伴うこの"Land"というテーマを見つけられた重要な撮影だったなと思います。





またやります。